皆さん、こんにちは!
世界水泳の熱戦が繰り広げられている今、テレビで競泳を見ていると、選手たちが壁に到達して「くるっ」と回って、また勢いよく泳ぎ出す、あの「ターン」の場面に注目したことはありますか?
私は泳げはしますが、あのターンは出来ません。鼻に水がブクブク・・と入り、苦しくなり泳げません。「鼻から息を吐き出すんだよ」、と言われそうですが、怖さのせいか何故だかできません。
私のどうでもいい話はさておき、実は、この一瞬の動作に、タイムを縮めるためのとんでもない秘密が隠されているんです!今回は、競泳の「ターン」技術がどのように進化してきたのか、そしてその一瞬に込められた奥深い秘密を、皆さんと一緒に深掘りしていきましょう!

ターンは「休憩」じゃない!「加速」のチャンスなんです!
「ターンって、息継ぎできる休憩時間じゃないの?」そう思っている方もいらっしゃるかもしれませんね。でも、競泳のトップ選手たちにとって、ターンは決して休憩時間ではありません。むしろ、**「加速」のための重要な局面であり、タイムを大きく左右する「第5の泳法」**とも言われるほどなんです!
考えてみてください。100mのレースなら、2回もターンがありますよね。200mなら6回、長距離になればなるほど、ターンの回数は増えていきます。もしこのターンで毎回0.1秒ずつ差がついたら…?最終的なタイムには、とてつもない影響が出てしまうことが分かります。
ターンの種類と進化の歴史
競泳のターンには、大きく分けていくつかの種類があります。それぞれの泳法に合わせて、最適なターンの技術が進化してきました。
1. クロール・背泳ぎ:華麗なる「クイックターン(フリップターン)」
皆さんがテレビでよく目にする、壁に頭から突っ込んでクルッと回るのが「クイックターン」または「フリップターン」です。これは、クロールと背泳ぎで使われます。
- 進化のポイント:
- **壁へのアプローチ:** かつては壁ギリギリまで泳いでいましたが、現在は壁から少し手前で体を丸め始め、勢いを殺さずに回転する技術が主流です。
- **回転速度:** 水中で体を素早くコンパクトに丸め、回転速度を上げることで、壁に到達するまでの減速を最小限に抑えます。
- **壁の蹴り出し:** 両足を揃えて壁を強く蹴り出し、水中で体を一直線にして抵抗を減らす「ストリームライン」を完璧に保ちます。この蹴り出しの強さと角度が、その後の水中ドルフィンキックの推進力に直結します。
- **水中ドルフィンキック:** 壁を蹴った後、水中で行うドルフィンキックは、水中抵抗が少ないため、水面を泳ぐよりも速い速度が出せることがあります。この水中ドルフィンキックでどれだけ長く、そして速く進めるかが、ターンの「加速」の鍵を握ります。
特に背泳ぎのクイックターンは、壁に近づく際に天井の目印や旗を確認し、タイミングを計るのが非常に難しいんですよ。

2. 平泳ぎ・バタフライ:正確さが命の「タッチターン」
平泳ぎとバタフライでは、両手で同時に壁にタッチする「タッチターン」がルールで義務付けられています。
- 進化のポイント:
- **タッチの正確性:** 両手同時に、かつ壁に垂直にタッチすることが求められます。タッチの瞬間に体がブレると、その後の動作にロスが生じます。
- **素早い回転:** タッチ後、すぐに体を横に回転させ、足を壁に引きつけます。この回転動作をいかにスムーズに行うかが重要です。
- **蹴り出しのパワー:** クイックターンと同様に、両足で壁を強く蹴り出し、ストリームラインを保ちます。平泳ぎの場合は、壁を蹴った後に一度だけドルフィンキック(またはバタフライキック)を入れることが許されています。この一蹴りが、その後の泳ぎ出しに大きな影響を与えます。
タッチターンは、クイックターンに比べて減速しやすい傾向にありますが、その分、壁へのアプローチと蹴り出しの正確性がタイムに直結する、非常に繊細な技術なんです。
ターンの秘密:科学と経験が織りなす芸術
トップスイマーのターンは、まさに科学と経験が融合した芸術と言えるでしょう。彼らは、以下の要素を極限まで追求しています。
- **水中抵抗の最小化:** 壁に近づく際の減速をいかに抑えるか、そして壁を蹴った後のストリームラインをいかに完璧に保つか。水の抵抗との戦いです。
- **推進力の最大化:** 壁を蹴るパワー、水中ドルフィンキックの効率、そして水面に出てからの最初のひとかき。これら全てが、ターンの加速に貢献します。
- **タイミングとリズム:** 疲労が蓄積するレース終盤でも、正確なタイミングでターンを行い、リズムを崩さないことが重要です。
- **練習の積み重ね:** 何千回、何万回と繰り返されるターンの練習によって、選手たちは無意識のうちに完璧な動作を身につけていきます。
特に、水中ドルフィンキックの技術は近年目覚ましい進化を遂げています。水中で長く、そして速く進むことで、水面での抵抗が大きい泳ぎ出しのロスを補うことができるため、多くの選手がこの技術を磨いています。

まとめ:ターンの「一瞬」に込められたドラマを見逃すな!
いかがでしたでしょうか?
ただの折り返しに見える「ターン」が、実はタイムを縮めるための重要な戦略であり、選手たちの技術と努力が凝縮された「一瞬のドラマ」であることがお分かりいただけたでしょうか。
今夜からの世界水泳では、ぜひ選手たちのターンにも注目してみてください。壁を蹴る瞬間の力強さ、水中の滑らかなドルフィンキック、そして水面に現れる時の勢い。その一つ一つの動作に、彼らの勝利への執念と、日々の練習の成果が表れているはずです。
ターンの秘密を知ることで、世界水泳の観戦がさらに面白くなること間違いなし!私たちと一緒に、競泳の奥深さを楽しみ尽くしましょう!
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